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YOUは何しに英国へ?【会社が倒産!の巻】
Posted on May 13, 2020 / In: ブログHello, there!!
いつも元気、QMEお笑い担当、アラフィフRISAです
今日も暑い一日となりそうですね
さて、「リサ22歳の晩秋、ロンドンで突然失業する」で前回は終わりましたが、
その後どうなったのか??
今回はその続きからお話したいと思います。
楽しかったポルトガルひとり旅から一転、勤務していた会社が倒産した事を
告げられたリサ。
当然のことながら、なかなか現実を受け止められませんでした。
がしかし、現実は相当厳しいものでした。
我々日本人は企業がいわゆる保証人となって、イギリス政府に就労許可証を
弁護書を介して申請し、正式に許可を得て働くことが出来ます。
ところが、その保証人が突然いなくなってしまったのです。
このままイギリスに残って働き続けたければ、他の保証人を探さなければなりません。
ただ、外国人ひとり雇うのにはかなりの費用がかかります。
その多額の費用を出してまで欲しい人材であることを証明しないといけないので、
再就職探しは外国人にとってかなりハードルが高いのです。
再就職探しも大変ですが、それ以上に困ったのが、住まいです。
以前言及したとおり、日本から来ていた社員は全員会社の借り上げ住宅に住んでいました。
(わたしがひったくり犯に襲われたときに、鍵が無くて入れなかったあそこです)
家賃、光熱費は会社持ちでしたが、その会社がなくなってしまったのです。
当然我々は路頭に迷うことに・・・
仕事もない
住まいもない
貯金もない
帰国するにも金がない
最後の給料も支払われるか不透明
そんな絶体絶命のリサに、なんとラッキーチャンスが次々と訪れたのです!
まず、衣・食・住のうちの「住」が無くなる、
大大大ピンチに救世主が手を差し伸べてくれました。
仕事で出会った、イギリス在住30年、翻訳や通訳、
ツアーガイドなど何でもオールマイティにこなす
日本人女性に日頃からとても可愛がっていただいていました。
彼女はお子さんがいなかったので、いつも「リサちゃん、リサちゃん」とまるで
娘のように接し、よくしてくださいました。
そんな彼女が所有していたロンドン市内のアパートに、本当に「たまたま」空きが出たらしく、
住まわせてもらえることになったんです!
しかも、私の再就職先が決まってちゃんとお給料がもらえるようになるまでは、
家賃はいらないと!!
光熱費も基本料金を引いた、実際に使った分だけ払えばいいと言ってくれました。
でもでも、これは他の社員には内緒で、こっそり引っ越しを決行しました(笑)
わたしだけずるいですもんね~
「住」が確保できても一安心とはいきません。
再就職先を探さないと、生活できません。
そんなある日、1841年創業のイギリス老舗旅行代理店が日本人スタッフを探していると小耳に挟みました。
「よし!アポなしで突撃じゃ!!」と、履歴書を握りしめいざ突撃!!
所はロンドン中心地、メイフェア地区。日本でいう「銀座」のような場所でしょうか。
徒歩圏内にバッキンガム宮殿、日本大使館、紅茶で有名なフォートナム&メイソンなどがあります。
そんな洗練された場所にどっかーーん!と巨大な店舗を構えていました。
う、う、う、入口からでかい。その辺の旅行代理店と店構えが全く違うぞ。
意を決して、受付のお姉さんに事情を話すと、ソファでしばらく待つように告げられました。
良かった~、門前払いじゃなかった~
しばらく待っていると、長身の中年イギリス人男性が現れました。
どうやら、この人が責任者らしい。
履歴書を渡し、事情を説明すると、「他にも君たちの会社から何人か来ているよ。また改めて日時を決めるから、そこで面接をしよう。」と。
ぎょえーーー、他の社員も来てるんやん。ライバルやん。
「で、何人くらい採用するおつもりで?」
「ひとりだよ」
こりゃ、大変だ。何人おるか分からんけど、ひとり以外落とされる~。
昔の仲間が今じゃ敵ってことか。。。
なんか、複雑な気分・・・
それから数日後、面接の日時を知らせる電話がかかってきました。
よっしゃ!いざ出陣じゃ!
前に会社ではわたしが一番下っ端だったけど、負けてはいられない。
面接当日。到着すると、広い店舗の奥へ通されました。
そこで、先日の長身男性と、眼鏡をかけた中肉中背のイギリス人男性が出迎えてくれました。
そして、テーブルの上にはワインとスナック!!
ワインで面接???さすが、イギリスや。
えーーーと、ライバルは?っと。
いました、いました。女性社員が他に4人。
中には同郷でとても仲が良かった人までも。
長身男性は、後にわたしの直属の上司になる、ユージン。もう一人は本部長のデイビッド。
この二人にとにかくアピールあるのみ、とみんなぐいぐい行く行く。
もうみにくい女の闘いですよ(笑)
なんか、もういいや、とガブガブワインを飲んでた、わたし。
全く何をしゃべったか覚えておりません、はい(笑)
ワインがぶ飲み戦法が功を奏したのでしょうか?
これで、採用されたのですから、本当に不思議です。
他の人たちは、その後・・・日本へ帰国されました。
同郷の子も福岡の実家へ帰ったそうです。
「トーマス・クック受かりました!!」と世話になっている大家さんに早速ご報告。
良かった、良かったと泣いて喜んでくれる「イギリスのお母さん」。
お祝いに行くよ!と高級日本料理店に連れて行ってくれました。
薄給のわたしには一生敷居をまたぐことができないであろうと思われた、高級店。
遠慮するわたしに、好きなもの食べていいよ!とバンバン注文する姿、カッコよかったね~。
余談ですが、数年前、長野が実家の大家さんが帰郷する途中名古屋に寄ってくれて、
家族で会いに行きました。そこで案内したのは「世界の山ちゃん」
高級料理店が似合う人間になるには、まだまだ時間がかかりそうです(笑)
よし!再就職先も決まったし、順風満帆!!
・・・とはいかないのが、リサの人生。
まだまだ試練が待ちうけているのでありました。
そのお話は、また次回
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました